平成24年食育白書より。
第2次食育推進基本計画は、3つの重点課題の1つに「家庭における共食を通じた食育の推進」をあげている。このことに関わって、日本スポーツ振興センターは、小学校5年生、中学校2年生を対象に、朝食と夕食における家族との食事状況についての調査を行っている。
その平成22年度の結果は(かっこ内は平成19年度)――。朝食を「家族そろって食べる」では、小5=26.6%(29.4%)、中2=19.4%(20.6%)、夕食では、小5=59.2%(57.6%)、中2=57.2%(56.0%)。反対に、朝食を「一人で食べる」では、小5=15.3%(11.4%)、中2=33.7%(30.4%)、夕食にあっても、小5=2.2%(1.5%)、中2=6.0%(5.6%)と、平成19年度に比べ、朝夕食とも、「家族そろって食べる」が減り、「一人で食べる」(孤食)が増えるという芳しくない結果であった。先にあげた第2次食育推進計画の「朝食または夕食を家族と一緒に食べる『共食』の回数」では、目標を達成したとはいえ、子どもたちの「孤食」は依然として大きな課題であることを示している。
家族と一緒に食べる利点は、「家族とのコミュニケーションを図ることができる」81.1%、「楽しく食べることができる」66.2%(内閣府「食育の現状と意識に関する調査」平成22年12月)にある。
また別の調査でも、「だるさや疲れやすさを感じる」子どもの割合は、家族で夕食をそろって食べる子どもが15.2%であるのに対し、一人で食べる子どもは32.5%と倍以上、「イライラする」でも家族そろって食べる子ども14.4%に対し、24.3%と10ポイント近く高くなっている。
霊長類を長年研究している山極寿一氏いわく、人間に近縁なゴリラやチンパンジーでも食べ物を分け合うことは極めてまれ。食べ物は常に争いの原因となるそうです。
でも、人間は積極的に食べ物を分配する。人間の祖先が森から出て草原で生活するようになった頃、手に入れた物をすぐには食べず、安全な場所に持ち帰って子供や妊婦、老人に分けるようになった。食を通じて譲り合いの気持ちや持ちつ持たれつの関係が出来「社会性」が生まれた。食が他社とのコミニュケーションの方法となったことは人類史上、革命的な出来事だった。
今では一人で食べる「孤食」が増えている、常に一人で、好きな時間に好きな物を食べるだけではサルに戻ってしまう。個食化は共感力を失うと、危惧されています。
我が家も、朝食は家を出る時間で、起きてくるので、ばらばらに食べます。唯一、家族が同じものを食べることが共有部分かな。
昼食はみんな、ばらばら。夕食が唯一、家族で一緒に同じものを食べます。
食は命。食べることが、一番大事なことなのに、蔑ろにしている現代。意識をして「食」を見直すことを発信したいなぁ。